『夜への長い旅路』/今月の「舞台に灯火を」

心に灯火をくれるおすすめステージを紹介!

ある家族の夏の一日。心を揺さぶる濃密な会話劇

みどころ)

ノーベル文学賞などを受賞し、 “アメリカ近代劇の父”と称される劇作家、ユージン・オニール。彼の遺作『夜への長い旅路』が、大竹しのぶを主役に上演される。オニールの青春時代における、凄惨な家族の姿を描いた自伝劇といわれ、彼の死後、妻によって発表され、四度目のピュリッツァー賞を獲得 した。悲劇的な家族の歴史を、間の真実を突く普遍のドラマに昇華させ、自らの人生に“赦し”を 与えたオニールの代表作でもある。

舞台は、オニール家をほぼ忠実に再現したとされるタイロン家の、夏のある一日。オニール自身が投 影された二男エドマンドの視点のみならず、家族個々の内面が深く 掘り下げられ、それぞれが抱える哀切や怒り、後悔や絶望、家族間の愛憎、確執が、巧みな会話の応酬で見事に表現されていく。

あらすじ)

1912年、夏のある日の朝。俳優ジェイムズ・タイロン(池田 成志)の別荘の居間で、家族が朝 食後の団欒を楽しんでいる。しかしその会話から徐々に明らかになるのは、彼らの実像、家族を覆う 暗い影である。父ジェイムズは金銭に異常な執着をもち、母メアリー(大竹しのぶ)はモルヒネ中毒に冒されて、常に精神が不安定だ。長男ジェイミー(大倉忠義)は酒と女にだらしない放蕩息子で、二男 エドマンド(杉野遥亮)は肺を病んでいる。

メアリーは昔、幼い息子ユージンを亡くしたことで罪の意識にさいなまれていた。その後にエドマンドを出産し、産後の病気をきっかけにモルヒネ中毒に陥ってしまったのだ。家族の確執が次 第にあぶり出されていく中、 再びモルヒネに手を出したメアリーが幻覚に襲われ始めて……。

● 出演/大竹しのぶ、大倉忠義、杉野遥亮、池田成志 他 日程と会場 /6月7日~7月4日(東京・Bunkamuraシアターコクーン)京都公演もあり  料 金 / 5 5 0 0 円( コ ク ー ン シ ー ト ・ 東 京 分 ・ 税 込 ) 他   B u n k a m u r a チ ケットセンター☎03-3477-9999 5月8日一般発売

『ゆうゆう』2021年6月号より

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