生きるのが楽になる人生相談⑤「コロナ禍で人生の時間が取り戻せなくなる」

◯生きるのが楽になる「人生相談」

「コロナ禍」という時代の転換期の中で、誰もがかつて味わったことのない 不安やストレスを抱えています。今までずっと晴れることのなかった日常の不満や将来への不安が、増幅された人も少なくないよう。 そんなモヤモヤや悩みへのアドバイスを、達人たちにお聞きしました。

相談5 コロナが収束しても、 取り戻す時間がない!

この年齢ともなると、一年一年がとても大切になります。あと2 ~3 年、旅行にも行けず友人にも会えなかったら、コロナが収束しても、取り戻す時間がなくなるのでは……と焦る自分がいます。若い人たちには わからないことだと思います。(74歳・埼玉県)

鎌田實さんからのアドバイス

自分を成長させるために「この時間」を充実させませんか

「取り戻す時間がない」と嘆いても、 どうにもなりません。  それより「人と会えないコロナ禍 は、人に頼らずに生きる自分を確立するチャンス」と考えませんか。そして本を読むなど、ひとり時間を充実させる。今は配信サービスでさまざまな映画が見られますので、映画 を楽しむのもいいですね。ひとりの 時間を楽しめるようになれば、人に頼らなくても生きられるようになる。 僕は、そう思います。  また、夫や子どもと同居している のなら、家族一緒に自宅で映画を見るのも素敵だと思いますよ。 では、どんな映画、どんな本が自分を成長させてくれるか、どういう 映画が家族の絆を強めてくれるかというと……。 迷ったときは『鎌田 實の人生図書館 あなたを変える本と映画と絵本たち400』をどうぞ (笑)。僕のおすすめ映画や本を紹介していますので、参考にしてください。

映画や本をもう一度楽しむ時間に

なかでも、ゆうゆう世代におすすめの映画は『ニューヨーク 最高の訳あり物件』や『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』。気持ちが明るくなり、コロナ禍でのイライラが吹き飛ぶこと請け合いです。夫と一緒に見るなら『きみに読む物語』はいかがでしょう。認知症を患って施設で暮らす女性に、男女の物語を読み聞かせるお話で、ラストがすごくいいんです。僕は、この映画を見て「夫婦っていいな」と思いました。家族 みんなで見るのなら『ニュー・シネマ・パラダイス』もいい。音楽も素晴らしくて、性別や世代に関係なく感動できる映画です。本のおすすめは堀辰雄や中原中也など。この機会に、若かりし頃に感動した本を読み返すのもいい。昔とは違った場面で 感動することもあって、新たな発見 にわくわくするかもしれませんよ。

鎌田實さん●医師

かまた・みのる●1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任。 3 0 代 で 院 長となり赤 字 病 院を再 生 。 地 域 包 括 ケアの先駆けをつくった。チェルノブイリ、イラクへの国際医療支援、全国被災地支援にも力 を注ぐ。現在、諏訪中央病院名誉院長、日本 チェルノブイリ連帯基金理事長、日本イラクメ ディカルネット代表、地域包括ケア研究所所長。

『ゆうゆう』2021年5月号より 撮影/井坂英彰(イメージカット)

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