生きるのが楽になる「人生相談」③神経質すぎる夫

◯生きるのが楽になる「人生相談」

「コロナ禍」という時代の転換期の中で、誰もがかつて味わったことのない 不安やストレスを抱えています。今までずっと晴れることのなかった日常の不満や将来への不安が、増幅された人も少なくないよう。 そんなモヤモヤや悩みへのアドバイスを、達人たちにお聞きしました。

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神経質すぎる夫に辟易

感染を恐れるあまり、異常なほど 洗濯と消毒を強要する夫。もう疲れました

神経質すぎる夫は、庭の植物の 水やりの後でさえ、家に入ったら 服をすべて着替えるように言いま す。買い物や病院から帰ったときも必ず着替え。結果、一日何回も 洗濯することに。洗剤や水だけで なく、マスクの消費量も多く、「全国マスク工業会」承認のものでないとダメ。夫に運転してもらい、ドラッグストアで買い物をした後、車のシートに座ると夫がアルコール消毒を開始。「消毒液をまず手のひらにためて、そこへ指先をつけろ」といった具合に命令されます。離れて暮らす母のことが心配ですが、同居は夫が反対しています。

娘が話し相手になってくれます が、ほとほと疲れてしまいました。 自由になって、実家で母と暮らし たいと思ったりします (69歳・静岡県)

玉置さんからのアドバイス

家を出ましょう。できないなら、 その理由は何なのか

今一 度 考 え て み て く だ さ い

 家に自粛警察がいるんですね。大変だし、たまりませんね。  

思い切って実家へ行きましょう。 お母さまにも協力してもらって「母の体調が悪い」と、嘘も方便でご主人に伝え、しばらく別居してみてはいかがでしょう。ご主人は、お母さまを自宅に引き取っての同居には反対でも、体調をくずした老親のもとへ、娘である相談者さんが行くのは反対しないと思います。万が 一反対するようであれば、娘さんの出番です。娘さんから「お母さんを 行かせてあげて」などと言ってもらうのもいいかもしれません。  

こんなふうに、家を出る方法はい ろいろあると思います、もう大人ですから。夫が反省して変わる可能もある。それでも家を出ようと思わないのなら― 。

耐えている自分がまんざら嫌ではない?

実は「嫌だ」と言いながら、その場から離れようとしない人が少なくありません。このケースで多いのは「嫌な夫、困った夫に耐えている自 分」がまんざら嫌いではないということです。しかも周りの人は「大変 ね、大丈夫?」「よく耐えているね。 えらいわ」と言ってくれるので、周 囲に同情されること、ほめられるこ とに自分の存在意義を見つけてしま う。わざわざ困ったことを探して耐 えている自分を演出する人もいるん です。でもね、それは不幸です。「嫌だ」と言いながら暮らしている自分 も、嫌なところを探されながら一緒 に暮らしている家族も。  

本当に現状が嫌なら、思い切って家を出ませんか。できない自分がいるのなら、その理由を考えてみてく ださい。もしも「嫌だと思いながらも、ここにい続けたい自分がいる。 人に頑張っていると言われたい自分がいる」のだとしたら……そういう 自分に気づいただけで 8割は解決しています! 気づけば自分を打破しようと思えるし、夫への考え方も少し変わるかもしれません。その「気づき」は、現状そのものを変えることにもつながるはずです。

 

玉置妙憂さん ●看護師、僧侶、スピリチュアルケア師

たまおき・みょうゆう●1964年生 まれ。専修大学法学部卒業。がんの夫を「自然死」という形で看取り、その後出家。現在は「非営利一般社団法人大慈学苑」を 設立し、終末期医療、引きこもり、 不登校、子育てなどを対象とした スピリチュアルケア活動を実施している。また、子世代が 〝親の 介護と看取り〞 について学ぶ「養老指南塾」の他、講演会やシン ポジウムなど幅広く活動している。

『ゆうゆう』2021年5月号より 撮影/橋本 哲(玉置さん)、井坂英彰(イメージカット)

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